2020年度 省エネ大賞受賞
「地下水循環型地中採放熱システム工法協会」が普及促進する地中熱技術である「Heat-Gw-Power®CASCADE56kWタイプ」(技術開発者;守谷商会)が、2020年度省エネ大賞(主催:一般財団法人省エネルギーセンター)の製品・ビジネスモデル部門において、「審査委員会特別賞」を受賞しました。
「省エネ大賞」は、国内の産業、業務、運輸各部門における優れた省エネの取り組みや、先進的で高効率な省エネ型製品などを表彰する制度です。住宅メーカーを除くゼネコンが製品・ビジネスモデル部門で大賞を受賞するのは極めて珍しいケースとなります。省エネ大賞表彰式は、令和3年1月27日(水)東京ビッグサイトで行われます。
このたびの受賞は、当協会が普及推進する地下水循環型地中採放熱システム工法(Heat-Gw-Power®)」の環境性能が高く評価されたものです。
地下水循環型地中採放熱システムは、気候や外気温度に左右されることが少ない「地中熱」を有効活用し、冷暖房設備をより少ない電力で稼働させるため、地中浅層部に設けた地中タンクコイル式熱交換槽内に敷設した熱交換パイプに熱媒を循環させて冷暖房用ヒートポンプに熱源を供給する装置です。熱交換槽内に地下水を強制的に循環して地下水熱と熱媒との熱交換効率を高めました。プレート式熱交換器と地中タンクコイル式熱交換槽を直列配置したカスケードタイプを考案し、熱交換装置に地下水を段階的に給水し熱を2回採取することで所用揚水量を50%に削減し、同種の熱源システムと比べて、イニシャル及びランニングコストを20%以上低減することに成功したものです。
守谷商会は2014年から「NEDO 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構」と共同で地下水循環型地中採放熱システムHeat-Gw-Power®の開発を行い、2018年に基本技術を確立しました。その後さらなる高性能化を目指しHeat-Gw-Power®カスケードタイプを独自に開発し、2019年度環境省ETV事業で第三者機関による一年間の実証を受け、2020年6月に環境省よりETVロゴマークの交付を受けました。このETVの性能評価結果に基づき省エネ大賞「製品・ビジネスモデル部門」にチャレンジして今回の受賞を獲得したものです。
再生可能地中熱の普及拡大と受賞技術の有効活用を目的に発足した「地下水循環型地中採放熱システム工法協会」の設立趣旨に賛同を頂きました24社の協会員の皆様と共に「2050年ゼロカーボン」の実現を推進してまいります。